大森建設株式会社 様
風力発電事業を安定して継続させるためには、風車や発電所、送電線などのメンテナンスが非常に重要となりますが、これには高度なスキルが求められます。今日までの安定稼働は、日立パワーソリューションズの保守力が支えていると、技術営業部の小沼星佳氏は言います。
「包括保守サービスという契約を結んでいますので、メンテナンス面も安心です。遠隔監視装置の導入によって当社の能代本社はもちろん、秋田支社からでも常時監視が可能です。万が一トラブルが発生した場合でも、すぐに駆けつけて対応していただける体制が整っています。
過去に一度、送電線に雷が落ちたことがありました。とても心配しましたが、日立パワーさんのしっかりとしたメンテナンス体制と指導の下、皆で一致団結して乗り切ることができました」
また、風力発電事業開始を機に、同社に発足した保守・メンテナンスを担当するエネルギーサービス部では、当初の3人から現在は10人以上にまで増員が図られています。
「今後も継続的に風力発電事業を受注できるよう、エネルギーサービス部の未来を担う人財を育成していきたいと考えています。例えば、地元の工業高校などの生徒の皆さんに風車や風力発電事業に興味を持っていただきたいと、風力エネルギー講座や施設見学を実施していますが、この活動が雇用につながっています。また、定期的に従業員を日立パワーさんに派遣させていただき、一緒に業務経験を積み重ねることで、風車メンテナンスに関する知識を蓄積しています」と大森氏。
地域からの信頼はもちろん、確かな保守体制の構築と人財育成によって、事業は堅調に推移。運転開始からこれまで、発電量・売電額ともに計画値を上回る成果を上げています。風の松原風力発電所は、能代市と地球環境の未来に力強い風を吹き込んでいます。
今後、風力発電事業の可能性をさらに広げていくのが、「蓄電池」の活用です。国内最大級の鉛蓄電施設を備える風の松原風力発電所には、海外からも視察の依頼があるそうです。
「この風力発電所では、災害による停電時には、蓄電池と風車で自立運転ができる装置を採用しています。例えば被災地に送電することができれば、無償で電気を供給できます。能代に風が吹く限り、電気を供給し続ける仕組みも構築できるでしょう。能代市と災害協定を結ぶなど、今後も、もっと地域のためにお役に立ちたいと思います」と小沼氏は地域に貢献したいという思いを語ります(上図:防災対応型風力発電システム参照)。
大森建設では、風の松原風力発電所の約2.5倍に相当する広域風力発電を次の事業展開として計画しています。
「能代市と隣の八峰町にまたがった事業となります。風の松原風力発電所の39,100キロワットに対し、この発電所は96,600キロワットの事業規模となります。地元で生まれ、育った私たちにとって、風力発電は地域を活性化させるダイナミックな事業です。地元に技術者が育ち、次の世代へと事業を継承していく流れができたら、これはもはやビジネスを超えた社会創生事業になるでしょう」と、本プロジェクトを力強く総括した大森氏。
その思いを受け止め、日立パワーソリューションズはこれからも、人と技術が培う信頼のパートナーシップで事業を支えていきます。
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