テスコ株式会社 様
点検業務のデジタル化に向けて、テスコ株式会社では潜在的な課題の掘り起こしを行いました。「当社からは三つのフェーズに分けて相談しました。1. データのデジタル化・可視化によって、点検記録の記録ミスや設備の不具合の見落としといった課題を改善する。2. 蓄積したデータを活用して高度な設備管理につなげる。3. いずれ不具合の予兆診断が可能になるまで管理範囲を広げていく。現在はフェーズ1を実行しつつ、フェーズ2を見据えている段階です」と大内氏。
サイトリミックスの特長の一つは、計測機器をタブレット端末のカメラで撮影し、画像から数値をデジタルデータ化して点検表へ反映できること。採用にあたっては、大きな手応えを感じるポイントがありました。「ごみ処理施設は厚いコンクリートに覆われていて、Wi-Fiの電波が届かない場所が多くあります。日立パワーソリューションズさんはタブレットの中に必要なすべての機能を入れて、オフラインで点検できるよう当社向けのカスタマイズを施しました。もちろん、カメラによる計測機器のメーター自動読み取りもオフラインで実施します。このように当社の状況に寄り添って、カスタマイズを提案してくれたことに感銘を受けました」と飯島氏。
パイロットプラントとしてサイトリミックスを導入した「大月都留ごみ処理場」では、運転員が1グループ4~5人のチームを組んで毎日24時間、休むことなく交代で運転管理にあたり、タブレットでの点検を行っています。導入時、運転員に向けて飯島氏は「当面は、紙の点検表に記入するよりも時間はかかるかもしれませんが、皆さんはデジタル化のパイオニアなのです。一緒にテスコの新しい企業風土を構築していきましょう」と語りかけました。現場には気づいたことを自由に書き込める雑記帳が置いてあるとのこと。この内容を定期的にテスコと日立パワーソリューションズで共有することで、より使いやすいカスタマイズも加え、現在も改善を続けています。
サイトリミックスによる運転管理が軌道に乗り、今後はほかのごみ処理施設への展開も検討中です。「複数の施設でデータを蓄積・比較することで、改善に役立てられます。また、このデジタル化への取り組みを事業部長会議で発表したところ、点検記録の記録ミスの回避などの効果に、総合ビル管理部門をはじめ社内の他部署も興味を示しました。今後は全社的な横展開も視野に入れて、本格的な活用を進めようと考えています」と大内氏は語ります。
「私たちにとって、データ蓄積のバックグラウンドができたことは大きな意味を持ちます。当社にはデジタルスキルを持った若手メンバーが大勢いますから、これを機に今まで以上に力を発揮してもらいたい。こうしたシステムは、いきなり満点を出そうとするよりも、早くアクションを起こしてPDCA*サイクルを回して改善につなげた方が、結果的によいものになると考えています。改善の先には、運転管理のビッグデータを基にした予兆診断による予防保全も見えてきます。タブレット点検システムを活用した運転管理は、当社にとってもお客さまにとっても多くのメリットを打ち出しながら、新規のお客さまを獲得する切り札の一つになると確信しています」と飯島氏は先を見据えます。
日立パワーソリューションズは事業者さまの思いに、技術に裏打ちされた提案力で応え、保全事業の次の一歩をともに力強く踏み出していきます。
テスコ株式会社 様