近年の欠陥検出画像の高画質化・高精度化および作業効率・生産性向上のニーズに対応するため、従来機「FineSAT Ⅲ」の機能を強化した最新機種が「FineSAT7」です。
新たに自社開発したFPGA内蔵のADボード*1を搭載し、微細化・多層化する半導体デバイス・電子部品の内部構造や欠陥*2の検出画像を高画質化しました。加えて、測定水槽を大型化し、多層デバイスなど複雑形状の検査に用いられる透過法を用いた直径300mm (12インチ)ウェーハの一括検査を可能にし、作業効率の向上に貢献します。
デバイスの欠陥検出画像の高画質化と300mmウェーハの一括検査に貢献する超音波映像装置「FineSAT7」
自社開発したFPGA内蔵のADボードを用いて、従来機よりサンプリング分解能を16倍、測定周期を2倍向上させたことで、高周波信号を観察しやすくします。
また、1画素の輝度に対して周囲8カ所から取得した超音波波形を足し合わせて平均化する技術*を用いて、電子回路の熱雑音などに起因して発生するランダムノイズを低減することで、欠陥検出画像を高画質化します。
従来、透過法を用いた直径300mmウェーハの検査は、対象物を移動させながら半面ごとに実施する必要がありました。
FineSAT7では、装置内の機器配置の見直しによって検査対象物を測定する水槽を大型化し、超音波を送受信するプローブなどを含む測定機器の可動域を広げたことで、全層一括での検査を可能にしました。
また、測定水槽の大型化により、水槽内での検査対象物の移動や超音波の反射の原因となる気泡の除去などの作業性も向上しています。
エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会SEMIが定める半導体製造装置の安全に関する規格に準拠しています。
400MHzプローブに対応した最大8GspsADボードを採用し、常時波形収録が可能となりました。
また、独自の論理回路を組み込むことにより、測定表示機能の高度化を行いました。
新たなADボード採用による、常時波形収録と14bit処理によって解析機能が充実。*1
最高速度1,200mm/sスキャナおよび高速処理PCの採用により、常時波形収録においても従来機同等以上の高速測定が可能です。
(上)23インチモニタ
(下)大型曲面モニタ
プローブ周波数(MHz) | 5~400 |
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有効ストローク(X×Y×Z) (mm) | 350×350×80 |
最大走査速度(mm/s) | 1,200 [公称値] |
最大測定点数(点) | 標準:4億 GUIPCオプション時:20億 |
外形寸法(W×H×D) (mm) | 1,590×1,360×950(扉閉状態) |
質量(kg) | 約390 |
電源(電圧/電流/周波数) | AC100~240V/6.25~15A/60Hz |
(単位:mm)